Q110:最良の不動産って数字でいうと何になるんですか?◆担保力④土地 実勢価格

A:実際に取引される価格のことです。目安としては固定資産税評価額の70%×1.1倍と言われています。ですが、実際は売り手と買い手が納得して売買が行われればそれが実勢価格のなので、相場観に合わない取引が多いのが不動産取引の実態です。
土地の形状と評価
土地は真四角(正方形)に近いほど評価が上がります。これは建物を建てる際に凸凹していると、そのでっぱり部分に建てられない(設計の難易度が上がる)≒その部分の土地が使えないとなるからです。後は、まぁあたり前ですが誰だって四角い部屋に住みたいですから。土地も四角が好まれます。逆に言うと、真四角じゃない土地を上手く活用して四角く建物が建てられれば差別化になるとも言えます
土地に面する道路(接道)と評価
大きな道路に面しているほど評価は大きくなります。更に1本よりも2本の道路と面しているほうが評価は上がります。なので角地は評価が上がりやすいとなるわけです
・旗地

こういう形状は畑地と呼ばれて評価が下がります。
特にaは長いほど、Bは短いほど評価が下がる傾向になります
ちなみに接道が無い土地の評価は0になります
再建築の可否と評価
接道で2m、道路の幅で4m 基本はこれだけの幅が無いとその土地に建物を建てることはできません(すでに建物がある場合にリノベーションすることは可能です)

なので、旗地でもbは2mは無いとそもそも新築を建てられないとなります。
ちなみに道路側の幅員が4mに足りないときは
「セットバック」することで建てられるようにすることができます
・セットバック
道路の幅員が4mに足りないときに立て直す際に幅員が4mになるまで道路側の境界線を下げること

↑詳細はこちらをご覧ください
セットバックはどんな狭い道路でもできるものではありません。42条2項道路と呼ばれる
・道路幅員1.8m~4.0m
・建築基準法施工時に家が立ち並んでいた
・特定行政庁が指定した道路
の条件を満たした道路でのみ可能となります
ざっくり言うと「住宅街の狭い道路」って感じです
用途地域と評価
商業地域、工業地域など自治体が都市計画法に基づいて定める土地の利用方法のことです。駅の周辺は商業地域とかちょっと離れたら住宅街、郊外は工業地域みたいなイメージ。詳細は10種類以上ありますが大切なのは用途によって
・建てられる建物の種類
・容積率、建蔽率
・高さ制限
・斜線
・日影
などが変わってきますのでレジデンス系の不動産投資としては
どれくらいの大きさのマンションが
何階まで伸ばせるのか?が変わります
ざっくり言うと
商業>住宅≧工業の順に土地を有効活用しやすいので
土地の評価があがります
周辺環境と評価
・境界線は確定しているか?
嘘みたいな話ですがお隣さんの土地とどこからが相手の土地で、どこまでが自分の土地か決まっていないなんてことがあります。結構あります。古い土地であればお隣さんとなぁなぁな関係で特に決めていなかったなんて感じ。当たり前ですが境界線が決まらないと正確な土地の面積も決まりませんし、どれくらの建物が建てられるのかもわからないので結果評価が下がります。
・嫌悪施設が無いか
反社会勢力の事務所がある。ゴミ屋敷があるなど明らかに迷惑被るものから、風俗店やパチンコなど法律上問題なくても人によっては嫌悪するものも評価が下がる可能性があります。後は「音」と「匂い」と「振動」。 線路沿いで電車の音と振動がする、食品工場の横で廃棄原料の匂いがするなどで評価が下がることもあります。
わたし自身過去に、23区内駅徒歩2分の真四角成形地を見たことがあるのですが、線路沿いで、且つお隣が生コンクリート工場ということで、電車とタンクローリーの振動と音がヤバすぎるということで現地を見て断念した経験があります

結局不動産は人対人の相対取引なので、
IQ的ロジカルな判断以外に
EQ的エモーショナルな判断が実勢価格に影響します
アップデート情報 2024年6月
不動産における「土地の実勢価格」は、その土地が市場で現在取引されている価格、つまりその時点での市場価値を指します。実勢価格は、土地の需要と供給のバランスによって決定され、地域の経済状況、利用可能なインフラ、周辺環境の発展など多くの要因に影響を受けます。
土地の実勢価格の意義
- 取引の基準: 土地の実勢価格は不動産取引における最も重要な指標の一つで、売り手と買い手が価格交渉の際に参照する実際の市場価格です。
- 投資評価: 投資家は土地の実勢価格を基に投資の収益性を評価します。価格の上昇が見込まれる地域に投資することで、将来的なキャピタルゲインを期待することができます。
土地の実勢価格の決定要因
- 地理的位置: 土地が位置する地域の商業的または住宅的魅力度が価格に大きく影響します。都市中心部や交通アクセスが良好な場所の土地は高価であることが一般的です。
- 土地のサイズと形状: 土地の広さや形状も価格に影響します。一般に、形状が整っていて有効活用しやすい土地ほど価値が高くなります。
- インフラの整備状況: 電気、水道、ガス、下水などの基本的なインフラが整っている地域の土地は、開発が容易であるため、価格が高くなります。
- 市場の動向: 経済情勢や不動産市場の全体的な動向も土地の実勢価格に影響を与えます。経済が成長している時期には不動産価格が上昇する傾向にあります。
実勢価格の把握方法
- 周辺の売買実績の参照: 対象となる不動産の近隣での取引価格を参考にします。ただし駅からの上記決定要因によって近隣でも価格が変動することは加味することが必要です
- 不動産鑑定士による評価: 正確な市場価値を知るために、不動産鑑定士による評価を依頼することも一般的です。
結論
実勢価格に明確は根拠はない。
需給のバランスによって変動するのかで見極める目が必要