Q92:不動産投資で成功しているとはどういう状態ですか?◇キャピタルゲイン⑤税金・経費

A:厳密にはキャピタルゲインには関係ないですが、キャピタルゲインが出た後にどれくらいキャッシュが残るかに関わってきます。
◇税金
①キャピタルゲイン(譲渡益)課税
ここで話すには奥が深すぎる税金ですが
不動産投資の売却に限って言えば
儲かれば儲かっただけ税金は高くなります
②税率は保有期間で変わる
例えば消費税はどんなものでも一律10%なので
計算しやすいですが
不動産の売却益は保有期間
つまり、買ってから売るまでの期間
によって変わります
保有期間が5年未満の場合は
だいたい40%
保有期間が5年以上の場合は
20%程度
これは不動産の売買が過熱して
相場全体の価格が上がるバブルを防ぐことが
目的だと言われています
まぁ国からのメッセージは
投機的に売買を高速でするのはやめてくれ
ってことでしょうか
③儲けの定義
儲かるって当たり前に使う言葉ですが
不動産投資におけるキャピタルゲインは
儲け = 売却価格 - 簿価
となります。
売却価格はその名の通り、売った金額
簿価は買った価格そのままのこと
ではありません
買った不動産は徐々に古くなります
そしていずれその価値は0円になるわけですが
0円になるまでの期間のことを
法定耐用年数と言います
木造で22年
重量鉄骨で37年
RCで45年というやつです
それぞれその年数で割った分だけ
毎年均等に価値が減っていくのです
その減った分だけ元の価格から引いた数字
それが簿価ということになります。
ただし、この「不動産が古くなる」という考え方は
不動産の中でも建物にしかあてはまりません
土地は古くならないからです。
なので不動産は究極どれだけ古くなっても
土地の価格以下になることはありません
④簿価=残債ではない
簿価は会計上の不動産価値です
残債は残りの借金
全然意味が違います
簿価は通常毎年均等に下がりますが
残債は最初はヘリが遅くて
徐々に減りが大きくなる弧を描くので
場合によっては
お金が手元に入ってないのに税金がかかる
とか
お金が手元に入ったのに税金がかからない
なんて事態が起こりえます
◇経費
これも話し出せばものすごーーーく
長いくて奥の深い話になるので
わたしが感じている一番のポイントだけ
ここではお伝えします
①法人だと事前準備で利益を相殺できる
法人の場合キャピタルゲインの譲渡益は
他の事業の収益と合算されて法人税が計算されます。
しかもその収益は10年分繰越ことが可能です
なので例えば毎年200万の赤字を続ける法人が
10年目に不動産を売って1800万のキャピタルゲインが発生しても
9年分の赤字 1800万と相殺されて
利益が0になってしまうのです。
少し冒頭を話すつもりが
ちょっと数字の話が多かったかもです。
ここらへんの続きはまたいづれ
不動産を買う前から出口に向けた戦略と準備は立てられる
アップデート情報 2024年4月
不動産投資で成功している状態とは、税制や市場環境に適応した効果的な税金対策と経費対策を行っていることを意味します。これにより、キャピタルゲインを最大化し、投資の収益性を高めることができます。
キャピタルゲインの税金対策
- 譲渡所得税の適用: 日本においては、不動産の売却益には譲渡所得税が課税されます。この税率は、保有期間によって異なり、5年超の長期保有であれば軽減税率が適用されるため、計画的な売却スケジュールが重要です。
- 損益通算および繰越控除: 売却による損失が発生した場合、その損失を他の所得と通算することができます。さらに、使い切れなかった損失は翌年以降に繰り越して控除することが可能です。通算できる期間は個人で3年、法人で10年となります。売却時期から逆算して対策が可能となります
- 小規模宅地等の特例: 相続等で取得した不動産の売却に際しては、小規模宅地等の特例を利用することで、譲渡所得の税負担を大幅に軽減することができます。これにより、キャピタルゲインに対する税金の負担を減らすことが可能です。
経費対策
- 固定資産税・都市計画税の最適化: 固定資産税や都市計画税は物件の評価額に基づくため、正確な物件評価が重要です。過大評価されている場合は評価の見直しを申し立てることで、税負担を軽減できます。
- 修繕費の適正計上: 物件の修繕にかかる費用は、その年度の必要経費として計上することができます。計画的なメンテナンスにより、物件価値を維持しつつ経費を適切に管理します。
- 減価償却の適用: 建物の減価償却は、不動産投資における重要な税務戦略の一つです。適切な償却方法を選択し、税負担を適正に抑えることができます。特に法人の場合は減価償却額を減らしたり、敢えて計上しないことで、物件の簿価を維持してキャピタルゲインを下げることが可能となります
日本における不動産投資で成功しているとは、税制の特性を理解し、キャピタルゲインに対する税金対策と経費対策を適切に行い、投資収益を最大化している状態を指します。投資計画の初期段階からこれらの要因を考慮に入れ、長期的な視点で賢明な投資判断を下すことが成功の鍵となります。
結論
いつ、どれくらいのキャピタルゲインを出すかが決める。
そこから対策が生まれる