【4〜5棟目 #192】これが心の油断。内覧が来ない二ヶ月半
礼金はADとして客付業者へ流れ、さらに管理会社へは毎月の管理料とは別に入居時の初期費用、更新手数料が発生する。初期費用で賃料一ヶ月分を取られると、一ヶ月目の手元には共益費しか残らない。つまり六ヶ月目に九部屋埋めても間に合わず、実質五ヶ月の勝負。すでに二ヶ月目中盤、残り三ヶ月と焦りが募った。

そして、時間だけが過ぎます。
物件が完成してからすでに2ヶ月と半が経過していました。
現状決まっている部屋は14部屋中たったの1部屋。
このままでは毎月のキャッシュフローがマイナスなのは目に見えています。
最低でも9部屋は埋めないと考えると残り8部屋。
これを実質3ヶ月で決めなければいけないという状況です。
当初はそれでも時間の問題でなんとかなるでしょうというふうに思っている私がいました。
心境としても焦っているとは言いながらも、銀行と交渉して半年間の元本の返済も待ってもらえたし、これまでの不動産で6ヶ月も満室になるまでに時間がかかったこともありませんから、とはいえ、とはいえという心がどこかにあったんだと思います。
これが完全に心の油断でした。
100年に1度レベルのパンデミックはそんなに甘くはありません。
2ヶ月半経っても、そもそも人が外出をしていないのです。
そう簡単に状況が好転するわけではないのです。
相変わらず内覧はほとんど来ていませんでした。
時間だけが経過していくことに対して、さすがに私自身も気づきます。
この感じがこのまま続くとまずいと。
不動産賃貸業において空室を埋める最もシンプルでかつ単純な作戦は何でしょうか。
そう、それはお部屋の賃料を下げるという行為です。
安く住めるのであれば多少条件が合わなくてもそこでいい。
おそらく賃貸で入居する方のほぼ共通の考えだと思います。
ですが一方で、不動産賃貸をしている僕たちからすると、賃料を下げて決めるというのは、言ってしまえば賃貸業の敗北と言ってもいいかもしれません。





